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後からスローモーションにできる?普通の動画をスローモーションにする方法

決定的な瞬間を通常モードで撮ってしまい、iMovie や写真アプリで速度を落としてみたら想像以上にカクカクした——この記事はそこで手が止まった方に向けたものです。なぜカクつくのかという理屈から、撮り終えた動画をあとからなめらかなスローに作り直す方法まで、iPhone だけで完結する手順としてまとめました。

なぜ後からスローにするとカクカクするのか

結論から言うと、速度を落とす編集は動画のコマ(フレーム)を増やしません。同じ枚数のコマを長い時間に引き延ばしているだけなので、1秒あたりに表示されるコマの数が減り、動きが飛んで見えます。アプリの性能の問題ではなく、素材に入っているコマの枚数で決まってしまう話です。

30fps を1/2速にすると実質15fps相当になる

ふだんの撮影は30fps、つまり1秒間に30コマ記録されています。これを半分の速度にすると、5秒の映像が10秒に伸びる一方でコマは150枚のまま。1秒あたりは15コマ相当になります。人の目は目安として1秒あたり24〜30コマを下回るとカクつきを感じ始めるので、ちょうど気になり出す境目を割ってしまうわけです。

速度変更再生時間1秒あたりのコマ数見え方
そのまま(1倍)5秒30コマなめらか
1/2速10秒15コマ相当カクつきが気になる
1/4速20秒7.5コマ相当紙芝居に近い

iMovie・写真アプリの速度変更ではコマが増えない

iMovie の速度スライダーや写真アプリの編集は、既にあるコマの表示時間を延ばす(あるいは同じコマを繰り返す)処理です。存在しない中間の絵を新しく描き起こす機能ではないため、どのアプリを使っても、どれだけ丁寧に設定しても、この段差はそのまま残ります。上位で紹介される「スローにする無料アプリ」の多くも仕組みは同じで、カクつきの原因には触れていません。

動画がなめらかに見える/見えない仕組みそのものについては動画がカクカクする原因の解説もあわせてどうぞ。

撮影時にスロー撮影する方法(次回から使える対策)

iPhone の「スロー」は120/240fps で記録している

カメラアプリのモードを「スロー」にすると、iPhone は通常より多い120fps や240fps でコマを記録します。240fps で撮った素材を30fps で再生すれば1/8の速さになりますが、1秒あたりのコマ数は30枚のまま確保されるので、なめらかなスローになります。速度を落としてもカクつかないのは、最初から余分なコマを撮っているからです。設定は「設定」アプリのカメラ項目から確認できます(選べる解像度と fps の組み合わせは機種によって異なります)。

撮り直せない場合はどうするか

問題は、スローで残したい場面がたいてい一度しか起きないことです。子どもがはじめて歩いた瞬間、ペットのジャンプ、試合のワンプレー。撮り直せる前提の助言は、すでに撮り終えた人には届きません。日本語の検索結果はここで「次回はスローで撮りましょう」と終わってしまいがちですが、手はあります。足りないコマを、あとから作るという方法です。

撮り終えた動画をなめらかなスローにする — AI フレーム補間

足りないコマを AI が生成するという発想

フレーム補間は、隣り合う2枚のコマを見比べて「その間に何が写っていたか」を推測し、中間のコマを新しく描き起こす技術です。1コマ挿めばコマ数は2倍、3コマ挿めば4倍になります。増えたコマの分だけ再生時間を伸ばせば、コマ数を保ったままのスローモーションができあがります。

「なめらか動画くん」はこの処理を RIFE という補間モデル(Core ML)で行います。処理はすべて iPhone の中だけで完結し、動画がどこかに送信されることはありません。機内モードでも動きます(通信するのは App Store での価格取得・購入・復元のときだけです)。

先にお伝えしておくと、なめらかにはなりますが画質そのものは良くなりません。元がぼやけている、暗い、手ブレしている——そうした素材がはっきり写るようになる機能ではありません。出力解像度は変更なし/480p〜4K から選べますが、これは縦横比を保った拡大・縮小で、細部を描き足すものではない点にご注意ください。

iPhone だけで完結させる手順

  1. 動画を選ぶアプリを開いて写真ライブラリから対象の動画を読み込みます。無料版は10秒以内が対象で、それより長い動画も先頭10秒だけ切り出して無料で試せます
  2. 再生時間モードを「スローモーション」にするコマを増やして尺を伸ばす動作になります。尺を変えずになめらかさだけ上げたいときは「同じ長さ」を選びます(詳しくは60fps化の記事で解説しています)。
  3. スロー倍率を選ぶ2倍(1コマ挿入)か4倍(3コマ挿入)です。どちらも無料版で選べます。
  4. フレームレートを決める同じ/30/60/120fps から選びます。元動画より低い値は選べません。無料版は最大60fps です。
  5. 予測を確認してキューに追加変換後のフレームレート・再生時間・ファイルサイズ・処理負荷の見込みが出るので、想定どおりか確かめてから実行します。
  6. できあがりを見比べる完了すると通知が届きます。変換前と変換後をスプリットスライダーで見比べて、仕上がりを確認します。ここまでは無料でできます。
  7. 保存する(Pro 版)写真ライブラリか「ファイル」アプリに書き出します。スローモーションの保存は Pro 版の機能です。

処理中に画面が暗くなって止まるのを防ぎたいときは「処理中は画面をロックしない」設定を入れておくと安心です。こちらは無料版でも使えます。

無料版とPro版の線引きを、先にはっきりさせておきます。

スローモーションは無料版でも作成できます。2倍でも4倍でも処理でき、変換前と変換後をスライダーで見比べて、自分の動画に効くかどうかを確かめられます。ここにお金はかかりません。

ただしできあがった動画を保存するには Pro 版が必要です。保存ボタンが「Pro で保存」になり、保存できないプレビューには「お試しプレビュー」の透かしが表示されます。仕上がりを見てから買うかどうか決められる、という設計です。

なお、尺を変えずにコマだけ増やす「同じ長さ」(60fps化)は、無料のまま保存できます。保存に Pro が要るのはスローモーションだけです。

撮り終えた動画が、なめらかなスローになるか試してみてください。

App Store で入手

作成と確認は無料/保存は Pro 版(買い切り)/iOS 16.0 以降の iPhone

2倍スロー・4倍スローの使い分け

倍率挿入するコマ再生時間向いている場面
2倍1コマ2倍に伸びるふだんの用途はほぼこれで足ります
4倍3コマ4倍に伸びるインパクトの瞬間など、じっくり止めて見たいとき

倍率は2倍と4倍の2種類で、どちらも無料版で作成できます。迷ったら2倍から試すのがおすすめです。動きが速い被写体では、倍率を上げるほど推測すべき距離が伸びるため、映像が崩れやすくなります。

用途別のコツ

ゴルフスイング・フォームチェック

クラブヘッドは1コマの間に大きく動くので、まずは2倍スローで様子を見て、足りなければ4倍へ。スイング全体を長く撮ってあるなら、アドレスからフォロースルーまでの数秒に切り詰めてから処理すると、破綻が減って処理も軽くなります。推論解像度を上げると細かい部分の推測精度が上がりますが、処理時間とメモリの使用量も増えます(中・高は Pro 版)。

ダンス・振りコピ

手足の動きを追いたい振りコピでは、コマ落ちがそのまま「どう動かしているのか分からない」に直結します。2倍スローでコマ数を保ったまま伸ばすと、指先の返しや重心の移動が追いやすくなります。全身が入った引きの構図のほうが、腕や脚が画面外に消えないぶん補間は安定します。

ペット・子ども・スポーツの決定的瞬間

撮り直しがきかない場面こそ、この方法の出番です。前後の要らない部分を落として数秒に絞り、2倍スローをかけるだけで、通常モードで撮ってしまった映像がずいぶん見やすくなります。無料版は10秒までなので、まずは肝心の数秒だけを試してみてください。

うまくいかないケースと限界

  • 動きが速すぎる被写体:コマの間で対象が大きく移動していると、中間の推測が外れて輪郭がにじんだり、二重に見えたりします。水しぶき、羽ばたき、ラケットやクラブの先などが該当します。
  • カットの切り替わりをまたぐ動画:別の場面のあいだに存在しない中間コマが作られ、不自然な混ざり方をします。カットごとに分けて処理してください。
  • 元の画質が悪い場合:手ブレ、暗所のノイズ、ピンボケは補間しても改善しません。なめらかさとは別の問題です。
  • 元より低いフレームレートは選べません:60fps の動画を30fps にする、といった使い方はできません。
  • メモリの制約:重い設定では2GB を超えるメモリを使うため、メモリの少ない機種(おおむね iPhone 12 以前)では iOS に処理を終了させられることがあります。推論解像度を下げる、動画を短く切る、出力解像度を控えめにする、といった調整で回避できる場合があります。

よくある質問

保存にお金がかかるのはなぜですか。フレーム補間はコマを1枚ずつ AI で生成する処理で、端末の性能をかなり使います。作成と確認まで無料にしているのは、仕上がりを見てから判断してほしいからです。効果がなかった動画にお金を払わずに済みます。

無料でどこまで試せますか。スローモーションは2倍・4倍とも無料で作成でき、変換前後をスライダーで見比べて仕上がりを確認できます。ただし保存には Pro 版が必要です。対象は10秒以内の動画で、10秒を超えるものも先頭10秒だけを切り出して試せます。なお「同じ長さ」でなめらかにした動画(最大60fps)は、無料のまま保存できます。

動画は外部に送られませんか。送られません。補間はすべて端末内で行われ、機内モードでも処理できます。通信するのは App Store での価格取得・購入・復元のときだけです。

iPad でも使えますか。iOS 16.0 以降の iPhone 専用で、iPad には対応していません。

Pro 版は月額ですか。いいえ、買い切り(非消耗型)で、サブスクリプションではありません。スローモーションの保存、長さの制限なし、120fps、480p〜4K の出力解像度、保存品質の中・高、推論解像度の中・高、キュー最大10本、バックグラウンド処理(iOS の猶予時間の上限により最大30秒)が使えるようになります。価格は App Store の表示をご確認ください。

処理中に他のアプリを触れますか。無料版はアプリを離れると処理が中断します。Pro 版は最大30秒までバックグラウンドで続けられますが、iOS の仕様上それ以上は延ばせません。長い動画は画面を表示したまま待つのが確実です。

画質も良くなりますか。なりません。増やせるのはコマの数だけで、解像感やノイズには手を入れていません。この点を期待して導入されると期待外れになりますので、あらかじめお伝えしておきます。

そのほかの疑問はサポートページにまとめています。アプリの機能一覧はトップページからご覧いただけます。

「もう手遅れ」と思っていた動画を、なめらかなスローで見返してみませんか。

App Store で入手

作成と確認は無料/保存は Pro 版(買い切り)/iOS 16.0 以降の iPhone

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