スローモーション

iMovieでスローモーションにする方法(iPhone)|カクカクする理由と、なめらかにする組み合わせ

iMovie で速度を落としたら、思ったより動きがガタガタになった。操作を間違えたわけではありません。iMovie はすでにあるコマを長く見せることで遅くするので、どこまでなめらかに遅くできるかは、素材のコマ数(fps)で決まります。この記事では、iPhone 版 iMovie で速度を落とす手順を Apple のガイドに沿って確認し、素材の fps ごとに「どこまで遅くしてもカクつかないか」を表にしました。後半では、先にフレーム補間でコマを増やしてから iMovie で仕上げる組み合わせを紹介します。

この記事の結論

  • iPhone 版 iMovie は、ムービープロジェクトならクリップの「速度」ボタンから、範囲を分けて速度を落とせる。ストーリーボードとマジックムービーでは、元の速さの 1/8 まで(Apple のガイド)
  • iMovie は中間のコマを作らない。30fps の素材は 1/2 で15コマ/秒、1/4 で7.5コマ/秒に減ってカクつく。なめらかに遅くできるのは「撮影時の fps ÷ 30」分の1まで
  • カクつかせたくないなら、60fps や「スロー」で撮るか、先にフレーム補間でコマを増やした動画を iMovie に読み込んで編集する

iPhone 版 iMovie でスローモーションにする手順

iMovie には3種類のプロジェクト(マジックムービー、ストーリーボード、ムービー)があり、速度の変え方が少し違います。細かく編集したいなら「ムービー」が向いています。手順は Apple の iMovie ユーザガイド(iPhoneのiMovieでビデオの速度を調整する)に沿っています。iMovie は無料で、最新版(3.0.6)は iOS 27.0 以降が対象です(App Store の表示、2026年10月24日確認)。

ムービープロジェクトで速度を落とす

  1. ムービープロジェクトを作るiMovie で「新規プロジェクトを開始」をタップしてから「ムービー」をタップします。「新規プロジェクトを開始」が見当たらないときは、「プロジェクト」をタップしてプロジェクトの一覧に戻ります。
  2. 動画を選んで「ムービーを作成」スローにしたい動画をタップして選び、画面下の「ムービーを作成」をタップします。写真ライブラリの動画も選べます。
  3. クリップをタップしてインスペクタを出すタイムラインでビデオクリップをタップすると、画面下部に編集用の項目(インスペクタ)が出ます。
  4. 「速度」ボタンをタップするクリップの下に、両端にハンドルの付いた黄色のバーが出ます。
  5. スライダを左にドラッグする左で遅く、右で速くなります。ドラッグ中はクリップの下に「1/2 x」(標準の半分の速さ)のような相対速度が表示されます。
  6. インスペクタの外側をタップして終えるクリップ全体を元の速さに戻したいときは、インスペクタの「リセット」をタップします。

一部だけスローにする(範囲を分ける)

ムービープロジェクトでは、1つのクリップを複数の範囲に分けて、それぞれ別の速度にできます。通常の速さ → 見せたい瞬間だけスロー → 通常の速さ、という見せ方です。

  • 黄色の範囲ハンドルをドラッグして、遅くしたい範囲を決めます
  • インスペクタの「追加」をタップすると、再生ヘッドの位置に範囲の境目ができます
  • 作った範囲の境目は、クリップの下に白い縦の線で表示されます

同じ「速度」の画面には「フリーズ」もあり、再生ヘッドの位置のコマを止めて見せられます。止めた部分には音声が入りません。

ストーリーボード・マジックムービーで速度を落とす

ストーリーボードとマジックムービーでは、クリップをタップしてから、画面下部の「速度」ボタンをタップします。「速度」スライダが出るので、左にドラッグして遅くします。Apple のガイド(マジックムービーやストーリーボードプロジェクトでクリップを編集する)によると、元の速さの最低8分の1まで下げ、最大2倍まで上げられます。元の速さに戻すには、スライダの右にある「リセット」をタップします。

なお、ムービープロジェクトの説明には、速度の下限の数字は書かれていません。この記事で「1/8 まで」と書くときは、ストーリーボードとマジックムービーの話です。

書き出して写真ライブラリに保存する

プロジェクトの一覧でプロジェクトをタップし、画面下部の「共有」ボタン →「ビデオを共有」とタップします。「オプション」で出力の解像度とフレームレートを選び、「ビデオを保存」で写真ライブラリに保存できます(Apple のガイド)。

iMovie のスローがカクカクする理由

Apple の iMovie ガイドには、中間のコマを作る(補間する)機能の説明がありません。速度を 1/2 にすると、同じ枚数のコマで2倍の時間を埋めることになり、1枚のコマが2倍の時間表示されます。1秒あたりに見える絵の枚数は「素材の fps × 速度」まで減ります。

30fps の素材の速度5秒の素材の長さ1秒あたりのコマ1枚の絵が見える時間見え方
1倍(そのまま)5秒30コマ約0.033秒なめらか
1/210秒15コマ約0.067秒カクつきが分かる
1/420秒7.5コマ約0.13秒コマ送りに近い
1/840秒3.75コマ約0.27秒写真を順に見せている状態

1/8 では、同じ絵が約0.27秒ずつ止まって見えます。これは iMovie の性能や設定の問題ではなく、素材に入っているコマの枚数の問題です。書き出しの設定をどう変えても、存在しないコマは出てきません。「速度を落とすほどカクつく」のは、仕組みどおりの結果です。

素材の fps 別:iMovie でどこまでなめらかに遅くできるか

逆に言えば、素材のコマが多ければ、iMovie で遅くしてもなめらかです。目安として1秒あたり30コマ前後を保てれば、動きはなめらかに見えます。

素材(撮影時の fps)1/21/41/8なめらかな限界
30fps(ふつうのビデオ)15コマ/秒7.5コマ/秒3.75コマ/秒遅くするとすぐカクつく
60fps30コマ/秒15コマ/秒7.5コマ/秒1/2 まで
120fps60コマ/秒30コマ/秒15コマ/秒1/4 まで
240fps120コマ/秒60コマ/秒30コマ/秒1/8 まで

覚え方は「撮影時の fps ÷ 30」分の1です。60fps なら 1/2、120fps なら 1/4、240fps なら 1/8 まで遅くしても、1秒あたり30コマが残ります。

表は素材のコマ数から計算した値です。iMovie の書き出しは、Apple のガイドによると、60fps の 1080p または 4K の素材がプロジェクトの半分より多いときに 60fps で保存する選択肢が出ます。それ以外は 30fps などで書き出すことになるので、30コマ/秒や60コマ/秒を超える分は、書き出しのときに使われません。また、「スロー」モードで撮った動画を iMovie に読み込んだときの扱い(写真アプリで決めたスロー区間が反映されるかなど)は、Apple のガイドに書かれていません。

手元の動画が何 fps かは、iPhone で動画の fps を確認する方法で確かめられます。60fps 以上で撮った動画なら、iOS 18 以降の写真アプリだけでも速度を落とせます(写真アプリで動画をスローにする方法)。

カクカクさせない方法:先にコマを増やしてから iMovie で編集する

iMovie で遅くしてもカクつかない素材を用意すれば、問題は解決します。用意のしかたは2つあります。

方法1:撮影時に 60fps か「スロー」で撮る

いちばん確実なのは、撮る前にコマを多くしておくことです。「設定」→「カメラ」→「ビデオ撮影」で 60fps を選ぶか、カメラの「スロー」モードで撮ります。ただし、すでに撮り終えた動画には使えません。

方法2:フレーム補間で 2倍・4倍のスローを作ってから、iMovie に読み込む

撮り直せない 30fps の動画には、足りないコマをあとから作るフレーム補間が使えます。なめらか動画くんの「スローモーション」は、AI が前後のコマから中間のコマを生成して、再生時間を2倍(2×)か4倍(4×)に伸ばします。出力のフレームレートは元の動画と同じなので、30fps の動画を 2× にすると、30fps のまま長さが2倍になります。

そのまま4倍スロー(7.5コマ/秒) AI で補間して4倍スロー(30コマ/秒)
実写の例:30fps で撮った子猫のしっぽの動きを4倍スローに。下はアプリと同じ RIFE のモデルで補間しています(PC で処理)。映像:Fumikas Sagisavas(CC0、Wikimedia Commons)

できた動画を写真ライブラリに保存し、iMovie のムービープロジェクトに読み込みます。iMovie では速度を 1倍のまま使い、カット・字幕・音楽などの編集だけをします。ここで iMovie の速度をさらに 1/2 にすると、またコマが足りなくなります(30fps の 2× スローを 1/2 にすると、15コマ/秒です)。60fps で撮った動画なら、4× スロー(60fps のまま長さ4倍)を iMovie で 1/2 にしても30コマ/秒が残るので、合計8倍のなめらかなスローになります。

スローモーションの作成と、変換前との見比べは無料です。保存は Pro(買い切り)の機能です。アプリ側の手順と向かない場面は後からスローモーションにする方法にまとめています。

同じ2倍のスローでも、iMovie で遅くしただけの動画は同じ絵が2回ずつ続き、補間してから読み込んだ動画は1コマごとに新しい絵が入ります。この差が、見たときの「カクカク」と「なめらか」の差です。

無料版では、推論解像度と保存品質は「低」(3 Mbps)、出力解像度は「変更なし」に固定されます。短い動画で効果を確かめるには十分ですが、保存品質や推論解像度の「中」「高」を使うには Pro が必要です。なお、フレーム補間で画質そのものは良くなりません。ぼやけや手ぶれは補間では直らず、速すぎる動き・細い線・カットの切り替わりでは、生成したコマが崩れることがあります。処理後の比較スライダーで、元の動画と見比べてから使ってください。

アプリ内の比較スライダー。境目の左が変換前、右が変換後です。

iMovie で遅くするとカクつく動画も、先にコマを増やせばなめらかなスローの素材になります。

App Store で入手

スローの作成と確認は無料/保存は Pro 版(買い切り)/iOS 16.0 以降の iPhone

なお、編集アプリの中でなめらかなスローまで済ませたい場合は、CapCut の「スムーズスローモーション」も選択肢です。中間のコマを推定して作る機能で、料金の扱いはCapCut のスムーズスローモーションの解説で整理しています。スローにできるアプリの種類ごとの違いはスローモーションアプリの選び方で比べています。

スローにしたときの音声

iMovie で速度を変えた場合

Apple のガイドによると、iMovie では速度を変えても、既定では音のピッチ(高さ)が保たれます。スローにすると音はゆっくりになりますが、声が低くなることはありません。速度にあわせて音を低くしたいときは、「プロジェクト設定」ボタンをタップし、「ピッチを速度にあわせる」をオンにします。

なめらか動画くんのスローを読み込んだ場合

なめらか動画くんの「スローモーション」で作った動画は、元の音声が通常の速さのまま先頭から入っています。映像は伸びているので音と動きは合わず、元の長さを過ぎると無音になります。iMovie では、タイムラインでクリップをタップし、インスペクタの「オーディオ」ボタン →「消音」ボタンで音を消せます。そのうえで音楽を足すのが自然です。

iMovie でスローモーションができないときの確認点

  • 「速度」ボタンが見当たらない:ムービープロジェクトでは、タイムラインのビデオクリップをタップしてインスペクタを出すと「速度」ボタンがあります。ストーリーボードとマジックムービーでは、クリップをタップしてから画面下部を見てください。
  • 1/8 より遅くできない:ストーリーボードとマジックムービーでは、元の速さの8分の1が下限です(Apple のガイド)。なお、30fps の素材を 1/8 にした時点で1秒あたり3.75コマなので、下限まで落としてもなめらかには見えません。
  • シネマティックモードの動画:Apple によると、シネマティックモードのクリップの速度を変えると、シネマティックエフェクトをすべて編集できなくなります。ピントの調整などを先に済ませてから速度を変えてください。
  • 遅くしたらカクカクする:故障ではなく、素材のコマ不足です。fps 別の表で限界を確かめ、足りない場合は先にコマを増やす方法を使います。
  • 書き出しで 60fps を選べない:60fps の選択肢は、60fps の 1080p または 4K の素材がプロジェクトの半分より多いときに出ます(Apple のガイド)。1秒あたり30コマになるまで遅くした部分なら、30fps で書き出してもなめらかさは変わりません。
  • 編集中のプレビューだけカクつく:書き出したファイルを写真アプリで再生して確かめてください。プレビューと書き出し後で見え方が違うことがあります。

よくある質問

iMovie でスローにするとカクカクするのはなぜですか?

iMovie は中間のコマを作らず、すでにあるコマを長く見せて遅くするからです。30fps の素材を 1/2 にすると、1秒あたり15コマに減ります。なめらかに遅くできるのは「撮影時の fps ÷ 30」分の1までです。

iMovie で一番遅くできるのはどこまでですか?

Apple のガイドでは、ストーリーボードとマジックムービーで元の速さの8分の1までと説明されています。ムービープロジェクトの説明には、下限の数字は書かれていません。

iMovie にオプティカルフローやフレーム補間の機能はありますか?

Apple の iMovie ガイドには、中間のコマを作る機能の説明はありません。なめらかなスローにしたい場合は、先にフレーム補間でコマを増やした動画を読み込むか、60fps 以上で撮った素材を使います。

iMovie でスローにすると、音声はどうなりますか?

速度にあわせて音もゆっくりになりますが、既定ではピッチ(音の高さ)が保たれます。「プロジェクト設定」の「ピッチを速度にあわせる」をオンにすると、遅くしたときに音が低くなります。

iPad の iMovie でもスローモーションにできますか?

できます。iPad 版 iMovie のガイドでも、インスペクタの「速度」ボタン、範囲の追加、「リセット」、ピッチの設定が同じ流れで説明されています。カクつきの仕組みも同じです。

なめらか動画くんで作った動画は iMovie に読み込めますか?

読み込めます。写真ライブラリに保存すれば、iMovie で動画を選ぶ画面に表示されます。2×・4× のスローを読み込んだ場合は、iMovie では速度を 1倍のまま使うのがおすすめです。

iMovie で動画の再生速度を速くすることもできますか?

できます。スライダを右にドラッグすると速くなります。ストーリーボードとマジックムービーでは、元の速さの最大2倍までです。

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