スローモーション

iPhoneの写真アプリで動画をスローにする方法|速度を変えられる動画・変えられない動画(iOS 18以降)

iPhone で撮った動画をスローにしたいのに、写真アプリの編集画面に速度のボタンが見当たらない。その原因は、ほとんどの場合「撮ったときのフレームレート」です。iOS 18 から写真アプリで動画の速度を落とせるようになりましたが、Apple が対象としているのは 30fps を超えて撮影した動画だけです。この記事では、自分の動画がどちらなのかの見分け方、写真アプリでの手順、遅くしたときにどこまでなめらかに見えるか、そして 30fps の動画しかないときの選択肢を、数字つきで整理します。

この記事の結論

  • iOS 18 以降の写真アプリで速度を遅くできるのは、30fps を超えるフレームレート(60fps・120fps など)で撮った動画。いちばん多い 30fps の動画には、速度のボタンが出ない
  • 60fps の動画を半分の速さにすると、1秒あたり30コマが残るのでなめらかに見える。それより遅くすると、コマが足りずにカクつき始める
  • 30fps の動画をなめらかなスローにしたいなら、足りないコマを作る(フレーム補間)しかない。iMovie などで速度を落とすだけでは、コマは増えない

写真アプリでスローにできる動画・できない動画

Apple のサポート記事には、iOS 18 以降では「30 fpsを超えるフレームレートで撮影したビデオの速度を下げてドラマティックに演出することができます」とあります(Apple サポート:ビデオを編集する方法、2026年5月6日公開)。iPad では iPadOS 18 以降が対象です。

ポイントは「30fps を超える」という条件です。30fps ちょうどの動画は含まれません。iPhone の「ビデオ」は多くの場合 30fps で撮っているので、ふだん撮った動画のほとんどは対象外になります。「写真アプリで動画をスローにできない」という声が多いのは、このためです。

撮影時のフレームレートよくある撮り方写真アプリで速度を遅くできるか
24fps・25fps・30fps「ビデオ」を初期設定のまま撮った動画、映画風に 24fps で撮った動画できない(速度のボタンが出ない)
60fps設定で 60fps を選んで撮った動画できる
120fps一部の Pro モデルで「ビデオ」の 120 FPS を選んで撮った動画できる
120fps・240fps(スロー)カメラの「スロー」モードで撮った動画できる(撮った時点でスローで再生される。スローにする区間も変えられる)

60fps 以上の行は、Apple の条件(30fps を超える)から導いたものです。Apple の説明は「撮影した」ビデオについてのもので、ほかのアプリで書き出した動画や、人から送られてきた動画でボタンが出るかどうかは書かれていません。

写真アプリで速度を落としても、新しいコマが作られるという記述は Apple の説明にありません。60fps の動画が遅くしてもなめらかなのは、もともと1秒に60枚のコマが撮れているからです。この違いは、あとの「どこまでなめらか?」で数字にしています。

自分の動画が何 fps か確かめる

写真アプリでスローにできるかどうかは、撮影時の fps でほぼ決まります。手早く確かめる方法を3つ挙げます。くわしい確認方法はiPhone で動画の fps を確認する方法にまとめました。

  • 編集画面に速度のボタンがあるか見る:iOS 18 以降なら、これがいちばん早い判定です。ボタンがあれば 30fps を超えて撮った動画、なければ 30fps 以下の可能性が高いと考えられます。
  • 撮影設定を確認する:「設定」→「カメラ」→「ビデオ撮影」で、いま選ばれている解像度と fps が分かります。ただしこれは今後の撮影の設定です。過去の動画を撮ったときに同じ設定だったとは限りません。
  • アプリで動画を選んでみる:なめらか動画くんで動画を選ぶと、「動画の情報」画面に元の動画のフレームレートが「変換前」として表示されます。処理しなくても見られ、無料です。

写真アプリで動画の速度を遅くする手順(iOS 18 以降)

60fps 以上で撮った動画なら、写真アプリだけで速度を遅くできます。この場合は、ほかのアプリは要りません。手順は Apple の iPhone ユーザガイド(iPhoneでビデオの長さをトリミングする/速度を調整する/オーディオを編集する)に沿っています。

  1. 写真アプリで動画を開くスローにしたい動画をタップして表示します。
  2. 「編集」→「ビデオ」をタップする編集ボタンをタップし、画面下の項目から「ビデオ」を選びます。
  3. 再生速度のボタンをタップするユーザガイドでは「再生速度ボタン」、サポート記事では「速度コントロールボタン」と呼ばれているボタンです。
  4. 再生速度を選ぶ表示された選択肢から速度をタップします。Apple によると、使える再生オプションは撮影したフォーマットによって異なり、「撮影したフォーマットのサイズが大きいほど、使用できるオプションが多くなります」。
  5. スローにする区間を決める動画の一部だけをスローにしたいときは、次の章の方法で区間を調整します。
  6. 「完了」をタップする編集を終えます。写真アプリの編集はあとから取り消せます(戻し方は次の章)。

選べる速度の数や表示のしかたは、撮影フォーマットや iOS のバージョンによって変わります。この記事では、実機で確かめていない選択肢の数字は挙げていません。

スローにする区間を変える・通常の速さに戻す

速度を変えた動画や「スロー」で撮った動画の、スロー区間を編集する

Apple は、「スロー」モードで撮影したあとや、ビデオの再生速度を調整したあとで、動画のどの部分をスローモーションで再生するかを編集できると説明しています。最初は通常の速さで始まり、見せたい瞬間だけゆっくりになり、また通常の速さに戻る、という見せ方ができます。

  1. 動画を開いて「編集」をタップする「スロー」で撮った動画か、速度を変えた動画を開きます。
  2. 縦棒をドラッグする動画の下に並ぶコマの帯(フレームビューア)の下に、縦棒が2本あります。この2本の間がスローで再生される区間です。縦棒を左右に動かして、始まりと終わりを決めます。
  3. 「完了」をタップする再生して確かめ、よければ編集を終えます。

縦棒の色は、Apple のサポート記事では「白い縦のライン」、iOS 18 以降のユーザガイドでは「黒い縦棒」と書かれています。iOS のバージョンによって見た目が違うことがありますが、操作は同じです。

スローモーションを解除して元の速さに戻す

  • 写真アプリで加えた編集をまとめて取り消す:動画を開いて編集ボタンをタップし、「元に戻す」をタップします(Apple のサポート記事では、続けて「オリジナルに戻す」をタップする手順です)。速度を変えた動画は、撮ったときの状態に戻ります。
  • 「スロー」で撮った動画を、なるべく通常の速さで見せたい:Apple の説明では、「スロー」モードの動画は通常どおり撮影され、再生するとスローモーションになります。どこをスローで再生するかは編集で選べるので、上の手順で縦棒を寄せ、スローになる区間を短くしてください。間違えて「スロー」で撮ってしまった動画も同じ方法です。

「ビデオを新規クリップとして保存」で別のクリップとして保存した動画は、オリジナルに戻すことはできないと Apple は説明しています。元の動画を残しておきたいときは、この保存方法の違いに気をつけてください。

60fps の動画を遅くすると、どこまでなめらか?

速度を落とすと、撮れているコマがより長い時間に割り振られます。新しいコマが足されないとすると、1秒あたりに見えるコマの数は「撮影時の fps × 速度」になります。目安として、1秒あたり30コマ前後あれば動きはなめらかに見え、15コマあたりからカクつきがはっきり分かり、10コマを下回るとコマ送りに近くなります。

撮影時の fps1/2 の速さ1/4 の速さ1/8 の速さ
30fps(写真アプリでは遅くできない。参考)15コマ/秒7.5コマ/秒3.75コマ/秒
60fps30コマ/秒(なめらか)15コマ/秒7.5コマ/秒
120fps60コマ/秒30コマ/秒(なめらか)15コマ/秒
240fps120コマ/秒60コマ/秒30コマ/秒(なめらか)

表は計算上の値です。実際にどの速さを選べるかは、撮影フォーマットによって変わります(Apple の注記のとおり)。覚え方は単純で、なめらかに遅くできる限界は「撮影時の fps ÷ 30」分の1です。60fps なら 1/2、120fps なら 1/4、240fps なら 1/8 までなら、1秒あたり30コマを保てます。

図の1マスは、30fps で再生したときの1コマ分(約0.033秒)です。60fps の動画を 1/2 にした場合は、どのマスも別の絵なのでなめらかです。1/4 にすると同じ絵が2マスずつ続き、動きが段になって見えます。60fps と 30fps の見え方の違いそのものは30fps と 60fps の違いでくわしく比べています。

速度ボタンが出ない・スローにできないときの確認点

「iPhone でスローモーションの編集ができない」「再生速度を変更できない」というときは、次の順に確かめてください。

  • 動画が 30fps 以下で撮られている:いちばん多い原因です。24fps・25fps・30fps の動画は、Apple の条件(30fps を超える)に当てはまりません。撮ったあとでカメラの設定を変えても、写真アプリで速度を変えられるようにはなりません。
  • iOS が 17 以前:iOS 17 の iPhone ユーザガイドには、速度を調整する項目がありません(トリミングと「スロー」の区間の調整だけです)。「設定」→「一般」→「情報」で iOS のバージョンを確かめてください。
  • 編集画面で「ビデオ」を選んでいない:速度のボタンは、編集画面の「ビデオ」の中にあります。調整やフィルタの画面を開いたままでは見つかりません。
  • 人から送られてきた動画・SNS やブラウザから保存した動画:送信や保存の過程で別のファイルに変換され、fps が下がっていることがあります。Apple の説明も「撮影した」ビデオについてのものです。fps を確かめて、30fps 以下なら写真アプリでは遅くできません。
  • スロー区間の縦棒が出ない:縦棒は、「スロー」で撮った動画か、速度を変えた動画で使えるものです。ふつうの 30fps の動画には出ません。

30fps の動画しかないとき:撮った動画をスローにする方法

撮り直せない 30fps の動画をスローにしたい場合、写真アプリ以外の方法を使うことになります。大きく分けると「コマを増やさずに遅くする」か「足りないコマを作ってから遅くする」かの2つです。

方法コマは増える?30fps の動画を 1/2 にしたとき費用(2026年10月時点)
iMovie で速度を落とす増えない15コマ/秒。カクつく無料
CapCut のスムーズスローモーション中間のコマを推定して作るなめらかになる公式の説明は無料。Pro 限定になったという報告もある
フレーム補間アプリ(なめらか動画くんの「スローモーション」)AI が中間のコマを生成する30コマ/秒を保つ作成と確認は無料、保存は Pro(買い切り)

アプリの種類ごとの違い(撮影用・速度を落とす・なめらかに補間する・スロー再生)は、スローモーションアプリの選び方で比べています。

iMovie:無料で遅くできるが、コマは増えない

iPhone 版 iMovie なら、30fps の動画でも速度を落とせます。ただし iMovie は中間のコマを作らないので、30fps の動画を 1/2 にすると15コマ/秒、1/4 で7.5コマ/秒まで減ります。多少カクついてもよい、あるいは字幕や音楽もまとめて編集したいときの選択肢です。手順と、素材の fps ごとの限界はiMovie でスローモーションにする方法と、カクカクする理由で解説しています。

CapCut:編集アプリの中で、なめらかなスローを作れる

CapCut の「スムーズスローモーション」は、遅くしたときに足りないコマを推定して作る機能です。仕組みとしてはフレーム補間の仲間なので、30fps の動画でもなめらかなスローになります。料金の扱いには情報が食い違う点があるので、CapCut のスムーズスローモーションの解説で整理しました。

フレーム補間アプリ:足りないコマを AI が作る

フレーム補間は、前後のコマから動きを推定して、その間のコマを新しく描き起こす技術です。なめらか動画くんの「スローモーション」は、このコマを使って再生時間を伸ばします。

  • スロー倍率は 2×(コマの間に1枚生成)と 4×(3枚生成)
  • 出力のフレームレートは元の動画と同じです。30fps の動画を 2× にすると、30fps のまま長さが2倍になります。1秒あたりのコマ数が減らないので、カクつかずに遅くなります(スローモーションのときは、フレームレートを選ぶ欄は出ません)
  • 処理は iPhone の中だけで行われ、動画はどこにも送信されません
  • スローモーションは無料で作成して、変換前と見比べるところまでできます。保存は Pro(買い切り)です。保存ボタンが「Pro で保存」になり、プレビューには「お試しプレビュー」の透かしが入ります
  • 無料版は10秒以内の動画が対象です。10秒を超える動画も、先頭10秒だけ切り出して試せます
  • 音声は、元の音声が通常の速さのまま先頭から入ります。映像は伸びているので音と動きは合わず、元の長さを過ぎると無音になります

操作の流れは、動画を選ぶ → 再生時間を「スローモーション」にする → スロー倍率を選ぶ →「キューに追加する」→ 比較スライダーで確認、です。くわしい手順と向かない場面は後からスローモーションにする方法にまとめています。

補間でなめらかにはなりますが、画質そのものは良くなりません。ぼやけや手ぶれも直りません。速すぎる動き、手前を何かが横切る場面、髪や網のような細い線、カットの切り替わりは、生成したコマが崩れやすいところです。

写真アプリでは遅くできない 30fps の動画を、なめらかなスローにできるか試してみてください。

App Store で入手

作成と確認は無料/保存は Pro 版(買い切り)/iOS 16.0 以降の iPhone

次から撮るときの設定

あとでスローにするかもしれない動画は、撮る前の設定で決まります。Apple の iPhone ユーザガイド(iPhoneのカメラでビデオを撮影する)に沿って整理します。

  • スローにしたい瞬間が分かっているなら「スロー」モード:カメラの「スロー」(スローモーション)モードで撮ります。機種によっては、「設定」→「カメラ」→「スローモーション撮影」でフレームレートや解像度を変えられます。
  • 動きのある場面は 60fps で撮っておく:「設定」→「カメラ」→「ビデオ撮影」で 60fps を含む項目を選びます。カメラの「ビデオ」モードの画面上部に出ている解像度と fps の表示をタップしても切り替えられます。60fps で撮っておけば、写真アプリで 1/2 の速さまでなめらかに遅くできます。
  • 一部の Pro モデルは「ビデオ」で 120 FPS:Apple によると、iPhone 16 Pro・iPhone 17 Pro・iPhone 18 Pro の各モデルと iPhone Duo では、「ビデオ」モードで「120 FPS」を選んでスローモーションビデオを撮れます。

フレームレートを上げるほど、ファイルは大きくなります(Apple のガイドにも注記があります)。すべてを 60fps で撮るか、動きのある場面だけにするかは、空き容量と相談して決めてください。どちらで撮るべきかの考え方は30fps と 60fps の違いにまとめています。

よくある質問

iPhone の写真アプリで動画をスロー再生にできますか?

iOS 18 以降で、30fps を超えるフレームレートで撮った動画ならできます。編集画面の「ビデオ」にある再生速度のボタンから、速度を選びます。30fps 以下の動画にはボタンが出ません。

写真アプリで動画の再生速度を変更できないのはなぜですか?

多くの場合、動画が 30fps 以下で撮られているからです。ほかに、iOS が 17 以前である、編集画面で「ビデオ」を選んでいない、送られてきた動画で fps が下がっている、といった原因があります。確認点の一覧を順に見てください。

写真アプリで動画を速くすることはできますか?

Apple の説明にあるのは、速度を下げる(スローにする)ことだけです。速くしたいときは iMovie が使えます。iPhone 版 iMovie のガイドでは、ストーリーボードとマジックムービーで元の速さの最大2倍まで上げられると説明されています。

スローにした動画を元の速さに戻せますか?

戻せます。動画を開いて編集ボタンをタップし、「元に戻す」をタップします。ただし「ビデオを新規クリップとして保存」で保存した動画は、オリジナルに戻せません。

「スロー」で撮った動画のスローを解除したいです

編集画面で、コマの帯の下にある2本の縦棒を寄せて、スローになる区間を短くします。区間の外は通常の速さで再生されます。

iPad の写真アプリでもスロー再生にできますか?

できます。Apple によると、iPadOS 18 以降で、30fps を超えるフレームレートで撮影したビデオが対象です。条件は iPhone と同じです。

写真アプリで遅くすると、コマは増えますか?

Apple の説明に、新しいコマを作るという記述はありません。60fps の動画を 1/2 にしてもなめらかなのは、もともと撮れている60コマを使っているからだと考えられます。そのため、撮影時の fps から計算した限界より遅くすると、カクつき始めます。

関連するガイド

iPhone で動画の fps を確認する方法 撮った動画が何 fps か分かれば、写真アプリで遅くできるかどうかが決まります。 iMovie でスローモーションにする方法と、カクカクする理由 素材の fps ごとに、どこまでなめらかに遅くできるかを表にしました。 後からスローモーションにする方法 30fps で撮ってしまった動画を、AI フレーム補間でなめらかなスローに。